株式会社の定款
株式会社を設立するには、会社の約束事をまとめた「定款」を作成します。
定款には、会社法で決められた、絶対に記載しなければならない項目(絶対的記載事項)があります。
株式会社の定款の絶対的記載事項
- 商号(社名) ‥ 会社の名前
- 目的 ‥ どのような事業を行うのか
- 本店の所在地 ‥ 本店住所のうち、最小行政区である市区町村までを記載すれば良い
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額 ‥ 出資財産額
- 発起人の氏名または名称およびその住所 ‥ 発起人の氏名、住所・発起人が法人の場合は、名称、本店住所
会社の「目的」とは
その会社でどのような事業を営むのかを「目的」として定款に記載します。
会社は、「目的」に記載されている事業の範囲内でだけ活動することができ、「目的」に書かれていない活動はできません。
そして、やりたいことを何でも「目的」に記載すれば良いというわけではなく、「適法性」「営利性」「明確性」といった3つのポイントがあります。
- 適法性
違法な目的・公序良俗に反する目的は、定めることができません。
例:「詐欺、脅迫」「麻薬の販売」‥✖️ - 営利性
株式会社は営利を目的としているので、非営利の活動だけを目的にすることはできません。
例:「ボランティア活動」「寄付」‥✖️
付随的に会社が非営利活動を行うことが、禁止されているわけではありません。 - 明確性
会社の目的に使われる言葉は、誰が見てもわかるように、みんなが知っている言葉を使う必要があります。
「目的」は、いつでも追加したり、削除したりできますが、その際には、定款変更と変更登記が必要になり、手間とお金がかかってしまいます。将来行う可能性のある事業や業務は、あらかじめ入れておくことも検討してみてください。
また、許認可が必要な事業については、目的に記載しておく必要があります。
「目的」の記載例
業 種 | 目 的 |
---|---|
許認可や届出が必要な事業目的の例 | |
飲食店 | ・飲食店の経営 ・パン、ケーキの製造販売並びに喫茶店経営 |
建設業 | ・建築、土木工事の設計、施工及び監理 |
宅地建物取引業 | ・不動産取引業 ・不動産の売買、賃貸、仲介及び管理 |
古物商(リサイクルショップ) | ・古物営業法に基づく古物商 |
人材派遣業 | ・労働者派遣事業 ・有料職業紹介事業 |
酒類販売業免許 | ・酒類販売業 |
産業廃棄物収集運搬業 | ・産業廃棄物の収集・運搬及び処理に関する業務 |
その他の業務の例 | |
IT・情報通信業 | ・インターネット・ホームページの企画、立案、制作およびメンテナンス業務 ・インターネットでのマーケティングリサーチおよび各種情報提供サービス |
広告・出版業 | ・広告代理業、出版業、印刷業ならびに新聞業 ・グラフィックデザイン業 |
サービス業 | ・イベント、コンサートの開催および企画請負業務 ・イベント、セミナーの企画、運営、実施および管理 ・会社のロゴなどのデザイン制作 |
訪問看護ステーション | ・介護保険法に基づく訪問看護事業 ・介護保険法に基づく居宅サービズ事業 |
コンサルタント | ・経営コンサルタント業 ・医療および健康に関するコンサルタント業 |
まとめ
- 会社を作る時には、まず初めに定款の中に絶対に入れなければならない「絶対的記載事項」を決める。
- 株式会社の定款に定める「目的」は、絶対的記載事項の一つ。
- 目的には「適法性」「営利性」「明確性」といった3つのポイントがある。
- 将来行う可能性がある事業も目的に入れておく。
- 許認可を必要とする事業かどうかを確認する。
以上「定款について」ご紹介しました。
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